後世への最大遺物
著者: 内村鑑三 初出年: 1894年
内村鑑三が1894(明治27)年にYMCAの夏季学校で学生たちに語った講演。事業家にも、富豪になることにも、思想家になることも、教えることもできない人は無用な人間なのか。自問自答の末に、「私が考えてみますに人間が後世に残すことのできる、そうして誰にもできるところの遺物(略)がある。何であるかならば勇ましい所の高尚なる生涯と思います」と答える。そして、この世の中はっけして「失望の世の中ではありません。望の世の中である」と加える。最後に、「我々に後世に残すものは何もなくとも、(略)あの人はこの世の中に生きている間は自分の信じた主義を真面目に実行する生涯を送った人であると云われるだけの事を、後世の人に残したいと思います」と結ぶ。
現在まで130年間読み継がれて、正宗白鳥、西田幾多郎、天野貞祐、矢内原忠雄、木下順二など後に有名人となった人はもちろん、まったくただの青少年に大きな示唆を与えた書物。
佐藤優『人生、何を成したかよりどう生きるか』文響社2021年は、100年以上前の伝説の講義『後世への最大遺物』を読みやすく現代語にし復刊!
鈴木範久『近代日本のバイブル』教文館2011年では、この書目の詳しい解説、読者たちの出会いと受け止め、原文がまとめられている。
主な読者:高校生から
標準再生時間:3時間5分
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