accessLibとは

accessLib(アクセスリブ)は、普通の本が読めない方、読みにくい方、本を読みたいけれど読むのが難しい方など、さまざまな困難のある方も読むことができる図書を提供する専門の電子図書館です。
広く世界中の人々が代々読み継いできた書物を中心にし、アクセシブルなフォーマットに作り直して、プリント・ディスアビリティズに無料で提供します。
広くまた読み継がれてきた書物の多くは、まず、優れた現代語訳で読むことが勧められます。しかし、一般に、アクセシブルな図書に作り直すことは著作権が立ちはだかってできませんが、accesslibは公認を受けてプリント・ディスアビリティズのための専門図書館を運営します。
そのため、この「第一次公開」は、トップページに掲げた「おすすめの4点」と続く10点を公開します。この14作品は知的所有権の保護期間が終了してパブリックドメイン(公有)として誰でも利用できる作品と、作者の意思で利用を認めていただいた作品です。長尾真先生(元・国立国会図書館長)と大久保ゆう氏(青空文庫)に感謝します。『学問のすゝめ』はあえてaccessLibが現代語訳しました。これら14作品からaccessLibの役割を汲み取っていたきますように。
続く「第二次公開」は文化庁の承認を得て、著作権法第三十七条の二によって、広くまた読み継がれてきた書物を著作権が保護されているか否かに関わらず提供できるようにします。
内訳は、現代語訳の仏典、聖書、コーラン、論語、老子など硬いものはもちろん、柔らかい落語まで。また、『ファーブルの昆虫記』(全10巻)、ネルーによる『父がわが子に語る世界歴史』(全8巻)、『ナルニア国物語』(全7巻)なども予定します。『バビロンの大富豪』『外国語学習の科学』はご存知でしょうか。また、雑誌「赤い鳥」全冊から、これかも読み続けられる(だろう)作品を抜き出して、新字新かな表記と原画とで提供します。読み物にこだわるだけでなく高校・大学進学や資格試験に必要な参考書、料理や教則本など、生きている古典を発掘します。

利用者登録できる方は

プリント・ディスアビリティのある方(≒視覚障害その他の理由で普通の印刷体の読みが困難な方)です。
例 ディスレキシアの方
  視覚に障害のある方
  手に障害があり、ページをめくることができない方 そのほか
登録手続きは、トップページ右上にある「新規登録」ボタンをご利用ください。

accessLibでできることは

最も優れたアクセスビリテイ機能を実装したのDAISY4/EPUB3型式の電子図書で、目と耳を同期して働かせる読書ができます。
DAISY4/EPUB3は、DAISY4規格で電子図書を作り、それをEPUB3規格で配布する国際標準規格の電子図書です。この電子図書をダウンロードして、ご自分のパソコンやタブレット、スマートフォンで、いつでもどこでも読書ができます。
つまり、近眼の人がメガネをかけると普通に読めるように、DAISY4/EPUB3はプリントディスアビリティズのためのメガネ付きの電子図書に当たります。

アクセシブルな図書とは

人間が500年間もの間、重宝してきた活字で印刷した「紙の本」は、利用が晴眼の識字者だけに限られています。
その限界を超えた最初は200年前に発明された点字でした。やがて、録音図書が広く利用され、その後継として国際標準を目指した(音声)DAISYが、続いてマルチメディアDAISYが河村宏氏らによって開発され、浅川智恵子氏(現・日本科学技術館館長)によるホームページリーダーが、また斎藤正雄氏、石川准氏らが相次いでスクリンリーダーを競うように開発していました。
また、大活字本・拡大写本、LLブックや布の絵本・さわる絵本が、20世紀末の10数年間に、同時並行的にこれらの紙の本の限界を補う本が登場しました。しかし、それぞれ特定の利用者と特定の図書の代替に限られたものでした。
DAISY4/EPUB3は視覚と聴覚とを同時に働かせる仕組みです。文字での読書は目だけ、音声図書は耳だけに集中することを強いられて、緊張と疲労を伴います。脳は五感を絶えず働かせているのが脳の自然な状態です。ですから、DAISY4/EPUB3のマルチメディアはむしろ脳の特性にふさわしい型の読書を実現します。
さらに、DAISY4/EPUB3は目と耳の両方の感覚を同期して使うだけでなく、一手間加えれば点字出力や手話動画を出力することのできる機能も備えています。
「ワンソース・マルチユース one source multi use」の考え方を、デジタル技術によって実現可能にした、晴眼者と障害者とを結ぶ架け橋です。実際、すでに紙の本の原稿はPCで作られ、PCで編集され、PCのDTP ソフトで最終版面が作られてその出力を印刷・製本しています。もし、その最終版面の出力をDAISY4に渡せば、紙版とほぼ同時にDAISY4/EPUB3版を出すことが可能になります。このように、晴眼者向けの紙版とプリント・ディスアビリティズ向けのアクセシブル版とが、できるだけほぼ同時・ほぼ同じ水準の価格で販売されることもアクセシブルな図書の要件の一つだと言わなければなりません。
アクセシブルな図書のさらにもう一つの要件で、必須の特性は調節です。文字の大きさと色、声の大きさや速さ、ルビや分かち書きの有無などなど、利用者個人それぞれの特性にぴったり合うセッティングができる仕様であることが一つ。そして、セッティングを支援する仕組み、この二つが必須です。

利用について

・著作権保護が働いている作品は、法令により登録したご本人だけが利用できます。たとえ善意であっても他の人に貸したり有償無償を問わず譲渡することはできません。
・https://accesslib.org でいつでもアクセスできます。ただし、サーバーの整備のためなどで休止する場合があります。
・休館予定などは、トップページの「お知らせ」をご覧ください。
・ダウンロードした作品のDAISY4/EPUB3ファイルを再生するには、お使いになるデバイスに再生ソフトをインストールしなければなりません。一般のEPUB再生ソフトではテキストに同期した読み上げが再生されません。ご注意ください。
  1. Windows OS:ChattyBooks(無料 https://sciaccess.net/jp/ChattyBooks/index.html)をダウンロードする。
  2. iOS:ボイス・オブ・デイジー5(3000円)または、いーリダー(4000円)、どちらもApp Storeから購入する。
  3. そのほかの場合は、トップページの上の「お問い合わせ」でご相談ください。
・利用登録は、承認された日から3年間有効です。期限の3ヶ月前から更新できます。「お問い合わせ」でお申し出ください。

読み継ぐ書物の推薦と寄付を募ります

accesslibが提供している書物の選考は「推薦」で始まります。推薦は、登録された利用者をはじめ広くどなたの推薦でも受け付けます。
どうぞ、ご自分が読んいて、この児・この人にもぜひ読んでもらいたいと思った本をaccessLibにおしらせください。その本の書名・著者名・出版社名・いつ頃かなどはわかる範囲で構いません。詳しくお知らせいただきたいことは、むしろ勧められた児/人はどのような人、どんな場面か、そして、どのようなニーズに応えるのかです。本の外形や書誌では捕まえられない、この本とうまく噛み合った点、触れ合ったところをぜひ教えてください。
紙の本をアクセシブルなフォーマットに作り直すのには大変大きな知恵と技と時間とお金を費やさなければなりません。どうぞあなたの専門知識のご提供、また寄付をお寄せください。

アクセシブルな資料の検索は

accessLibの検索機能は貧弱です。国立国会図書館の「みなサーチ」https://mina.ndl.go.jp をご利用ください。2024年1月に運用を開始しました。プリント・ディスアビリティズが利用しやすい形式の資料を探す専門のサイトです。音声DAISY一覧表をはじめに、マルチメディアDAISY、テキストDAISY、EPUB、音声付きEPUB、透明テキスト付きPDF、Word、プレーン・テキスト、そして点字データに分けた一覧表を検索できます。

accessLibの運営は

NPO法人 accessLib(読み継ぐ書物のアクセシブル図書館)が運営します。
2017年に法人が認証されて以来、開館準備とDAISY教科書(小学校の算数と音楽、中学校の理科、家庭、音楽、高校の情報処理など)の制作、また学校や行政への相談役、個人指導に携わっています。詳細は「NPO法人 読み継ぐ書物のアクセシブル図書館について」欄をご覧ください

「NPO法人 読み継ぐ書物のアクセシブル図書館」について

認証:平成29年12月19日 神奈川県
特定非営利活動法人の名称:NPO法人 読み継ぐ書物のアクセシブル図書館(accessLib)
代表者の氏名:沖田克夫
主たる事務所の所在地:中郡大磯町

特定非営利活動法人 読み継ぐ書物のアクセシブル図書館定款

第1章 総則
 (名称)
この法人は、特定非営利活動法人 読み継ぐ書物のアクセシブル図書館といい、英語の表記を Accessible Libraryとする。
2 この法人の略称をaccessLib とする。
(事務所)
第2条 この法人は、主たる事務所を神奈川県中郡大磯町東小磯303番地8に置く。
 (目的)
第3条 この法人は、10歳代の子供たちおよび普通の印刷物を読むことが困難な人々(プリント・ディスアビリテズ)に対してアクセシブルな図書館に関する事業を行うことにより、もって福祉の増進、社会教育の推進、まちづくりの推進、学術・文化の振興、人権の擁護、子どもの健全育成、情報化社会の発展、科学技術の振興、職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援に寄与することを目的とする。
(活動の種類)
第4条 この法人は、前条の目的を達成するため、特定非営利活動促進法(以下「法」という。)第2条別表に掲げる種類の特定非営利活動を行う。
① 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
② 社会教育の推進を図る活動
③ まちづくりの推進を図る活動
⑥ 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
⑩ 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
⑬ 子どもの健全育成を図る活動
⑭ 情報化社会の発展を図る活動
⑮ 科学技術の振興を図る活動
⑰ 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
⑲ 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
⑳ 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
 (事業の種類)
第5条 この法人は、第3条の目的を達成するため、次の事業を行う。
特定非営利活動に係る事業
  ① 「読み継ぐ書物のアクセシブル図書館」
  ② 中学校・高等学校用DAISY版教科書作成
  ③ 情報利用の支援に関する講演・研修・コンサルティング
  ④ DAISY/EPUB出版制作受託
  ⑤ 研究開発

第2章 会員
 (種別)
第6条 この法人の会員は、次の2種類とし、正会員をもって法上の社員とする。
(1) 正会員  この法人の目的に賛同して入会した個人又は団体
(2) 賛助会員 この法人の事業を賛助するために入会した個人又は団体
 (入会)
第7条 会員として入会しようとするものは、入会申込書を理事長に提出し、理事長の承認を得なければならない。理事長は、会員の申込みについては、正当な理由がない限り入会を認めるものとするが、入会を認めない場合は、理由を付した書面をもって本人にその旨を通知しなければならない。
 (入会金及び会費)
会員は、総会において別に定める会費を納入しなければならない。
 (退会)
第9条 会員は、退会届を理事長に提出し、任意に退会することができる。
2 会員が、次の各号のいずれかに該当する場合には、退会したものとみなす。
(1) 本人が死亡し、又は会員である団体が消滅したとき。
(2) 会費を1年以上滞納したとき。
(除名)
第10条 会員が、次の各号のいずれかに該当する場合には、総会において、正会員総数の3分の2以上の議決により、これを除名することができる。ただし、その会員に対し、議決前に弁明の機会を与えなければならない。
(1) この定款に違反したとき。
(2) この法人の名誉を傷つけ、又は目的に反する行為をしたとき。
(拠出金品の不返還)
第11条 会員が納入した会費及びその他の拠出金品はその理由を問わず、これを返還しない。

  (途中省略)

附   則
1 この定款は、この法人の成立の日から施行する。
2 この法人の設立時の会費は、第8条の規定にかかわらず、次の各号に掲げるものとする。
(1)年会費

正会員ワーカー0円
個人3000円
学生1000円
団体10000円
賛助会員個人  1口1000円(1口以上)
団体  1口10000円(1口以上)

年度活動会計報告
(準備中)